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こんな暮らし

オーストラリアと日本を行ったり来たり。生活を見直すブログ。

NHKスペシャル 「健康格差」を見て

 

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敬老の日は長寿をお祝いする日ですが、日本の高齢者の割合も27%を超えたと言うニュースに触れ、年金や医療費、介護給付費が大きく膨らんでいる現実を見ると、この長寿社会を素直に喜んでいいのか不安になってきます。

敬老の日NHKスペシャルで、「健康格差」を見ました。格差社会と言われる現代社会で、健康的な生活を送っている人と、健康を害した生活を送っている人の差が大きくなっていることが新たな社会問題として指摘されています。

健康格差の例

番組内では、健康格差を引き起こす4つの要因を具体的な例をあげて紹介していました。

一つ目の要因は所得です。低所得者の人の食生活では、食費を抑えるために食事の回数を減らしたり、手っ取り早くお腹を満たすために炭水化物中心の食事に偏ってしまう傾向があります。その結果、高所得者と比較すると、肥満の人は1.5倍。骨粗鬆症の人は1.43倍。また精神疾患を持つ人は3.4倍に上っています。

二つ目の要因は雇用形態です。2型糖尿病は生活習慣が原因の病気ですが、正規雇用に比べると非正規雇用の場合は、その糖尿病を悪化させる割合が1.5倍になっています。高齢者だけでなく、30代40代にも目立っています。非正規雇用者は、規則正しくバランスのとれた食生活を維持することがむずかしく、また定期的な健康診断を受ける機会が少ないこと、精神的なストレスを受けやすいことなどが、糖尿病を悪化させています。

三つ目の要因は地域です。秋田県は、食道がん胃がんが多い県のトップになっていますが、塩分の多い食生活が大きな原因として指摘されています。食塩摂取量は全国平均を大きく上回る12.3gとなっていて、地域に根付いた食生活が大きく影響しています。

4つ目の要因は人との関わりです。社会の中での人とのつながりを維持することによって、身体機能や気力の低下を防ぐことが紹介されていました。人との関わりが活発な社会は社会に新たな力が生まれるという「ソーシャルキャピタル」という概念が注目されています。

さまざまな解決策の紹介

イギリスでは、政府と企業が協力して、食パンに含まれる食塩を消費者に気づかれない方法で段階的に減らしました。その結果、国民の塩分摂取量を15%減らすことにに成功し、8年間で4割の心疾患の患者を減らしました。

東京の足立区では、糖尿病対策として、区が飲食店やスーパーに働きかけて、野菜を先に食べてもらうように注文の出し方を考えたり、スーパーではお惣菜に使う野菜を多くする工夫をしたり、保育園で野菜を多く食べる取り組みを強化したりしました。その結果、1年に一人キャベツ5玉分の野菜摂取の増加につながりました。

足立区では、検診の呼びかけや生活指導などの対策も行ってきましたが、効果があまり上がらなかったという現実がありました。しかし、このように、本人が気づかないうちに健康な食生活に結びつくような対策の方が大きな効果が見られました。

このように健康格差を解消すれば、10年で5兆円の社会保障費を削減できるという試算もあります。消費税2%分の税収に匹敵するのだそうです。

国や地方自治体が、いろいろな観点から有効な取り組みを広げていくことが、これからも期待されます。

健康格差は自己責任か社会問題か

番組の中では、これらの健康格差は自己格差か社会問題かということが議論されていました。

自分の健康を自分で守れないのは甘えであるという考え方に対して、健康に注意を向ける余裕がない生活を強いられている人がいる現状も紹介されていました。

どちらの意見も納得できます。また、一方だけが原因ではないと思います。社会の中で誰もが自分の健康維持に興味を向け、それを推進できるような社会が作られるべきだと思います。

目先の取り組みも大切ですが、景気の低迷や雇用問題、少子化、子どもの貧困など、もっと深いところにある根本的な問題が解消されることにより、すべての人が健康で幸せな毎日を送れる社会になることを望みます。

 

今日の笑顔にありがとう。