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こんな暮らし

オーストラリアと日本を行ったり来たり。生活を見直すブログ。

別腹は本当にあった 2つの食欲を知る

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日本は食欲の秋ですね。食事をしたばかりでお腹は満たされているのに、なんだか口がさみしく感じて、甘いものが食べたくなることがあります。

食欲には2つの種類があります。生きるための食欲と、楽しみとしての食欲です。

生きるための食欲

1つ目は「空腹感」としてあらわれる食欲です。これは、人間だけではなく、あらゆる動物が生きていくために必要なものです。

お腹がすくと、お腹がぐうーと鳴りますが、空腹感はお腹で感じるのではありません。空腹感、満腹感ともに、この感覚を作り出しているのは脳です。

脳の大部分を占めている大脳の下に視床下部があります。この視床下部に空腹感を生み出す神経細胞が集まった「摂食中枢」と、満腹感を生み出す神経細胞が集まった「満腹中枢」があります。

空腹が続くと、エネルギーを得るために肝臓で中性脂肪が分解されて、残った脂肪酸が摂食中枢の神経細胞を活発にします。さらに脳内に信号を送り、食べる意欲をわかせて食べ物を求める行動を起こします。さらに、噛む、飲み込む、唾液を出す、消化・吸収といった食べることに関わる一連の無意識な動きをうながします。また、体内の栄養状態だけでなく、視覚、嗅覚、味覚の情報も摂食中枢の神経細胞を刺激します。

一方、食事をすると、炭水化物が小腸で分解されてブドウ糖となり、膵臓から分泌されるインスリンとともに血液の流れと一緒に脳へいきます。ブドウ糖とインスリンが満腹中枢の神経細胞の働きを活発にし、摂食中枢の神経細胞の働きをおさえ、食べたい気持ちや行動をしずめてくれるのです。

楽しみとしての食欲

食事は栄養を摂取するだけでなく、おいしいものを追求する楽しみがあります。好きなものを食べたり、話題の食べ物を試したりする楽しみとしての食欲は、大脳の前方にある「前頭連合野」という部分で形成されています。

前頭連合野では、何かを食べたときに、おいしいか、まずいかを判断したり、味、におい、見た目、温度、食感など、食べ物に関するさまざまな感覚情報をまとめて、記憶しています。ですから、食べる楽しみを感じるときには、前頭連合野が大きく影響しているのです。

前頭連合野は、物事を分析したり、作業手順を考えたり、人の精神的、知的な活動を担う場所でもあります。したがって、「健康によいから食べよう」とか、「太りやすいから食べるのをがまんしよう」などの体の欲求にさからって理性的に食べる行動をコントロールすることができるのも、前頭連合野のはたらきなのです。

デザートは別腹

食後、満腹感を感じた後でも食後のデザートが食べたくなるのは、この前頭連合野がおいしい、おいしそうなどと判断して、その情報が摂食中枢に送られ、食べたいという気持ちが引き起こされるからです。

さらに、同じものを食べ続けると前頭連合野が「もう食べられない」という信号を送ります。これは、満腹のときの「もう食べられない」という感覚とは違って、味に飽きたときに感じる「感覚特異性満腹」です。普通の食事では、塩分を感じる食べ物が中心なので、食事の後でも変化のある甘いものが食べたくなる「デザートは別腹」という現象が起きるのです。

また、前頭連合野神経細胞は、おいしいという信号を摂食中枢の神経細胞に送ると、そこで「オレキシン」という物質が放出します。オレキシンは胃の入り口に近い部分の筋肉をゆるめ、出口では胃の中身を押し出そうとして、新たに食べたものを受け入れるスペースも作り出しています。

このように、別腹は、科学的にも証明されていることがわかりました。食欲が生まれる仕組みをよく理解し、うまくコントロールして、日本の食欲の秋を楽しみたいと思います。

 

今日の笑顔にありがとう。